決定版 紅葉山文庫と書物奉行


■数多の資料を基に紅葉山文庫の沿革と書物奉行の事蹟をまとめた決定版

  

■8月末発売予定
■森 潤三郎 著
■A5判上製カバー装・220頁■定価(本体4,800円+税) ISBN978-4-903251-13-4

■長年にわたり数多くの資料や墓碑を渉猟し、江戸時代唯一の官設図書館である紅葉山文庫の沿革と書物奉行の事蹟を日本で初めて本格的にまとめた本。著者の訂正・補充を反映させ、昭和8年初版刊行以来84年ぶりの改訂新版。

■内容
序(杉栄三郎)/緒言(森潤三郎)
第一章 文庫の沿革
 本邦に於ける文庫、特に武家文庫の沿革略/江戸幕府に於ける文庫の起原/書物奉行の創置/書目の編纂
第二章 紅葉山文庫
 文庫重要事項年表/明治以後の文庫と書籍/紅葉山文庫蔵書の当時及び後世に及ぼせる影響/附録 文庫の図に就て
第三章 書物奉行
 奉行任命の形式その他/奉行任職序列表/奉行任免転没年表
参考書目略解題
跋(森潤三郎)
再刊あとがき(森 富)

紅葉山文庫の沿革と書物奉行の性質とは、本書を以てその大体を説明し得たりと信ず。因より不備の点多きも、資料の不足と予の浅陋を以てしては、目下これ以上に進捗し能はざるが故に、一段落として刊行する事となせり。予は終生を江戸幕府文化史の研究に捧ぐる覚悟を以て、本書を第一編とし、遂次その調査を発表せんことを期す。
擱筆に臨んで、この調査研究に関して費用を補助せられたる東照宮三百年祭紀念会、貴重図書の借覧謄写を許可せられたる内閣文庫、宮内省図書寮、帝国図書館、南葵文庫を含む東京帝国大学附属図書館、静嘉堂文庫、文学博士幸田成友氏、資料を寄与せられたる男爵平山成信閣下、岩堀角次郎氏その他の遺族諸氏、過去帳の閲覧、墓碑の撮影、遺族への紹介等を快諾せられたる寺院に対して重ねて深謝の意を表す。(森 潤三郎「跋」より)

『紅葉山文庫と書物奉行』は昭和八年七月に第一版が刊行されたが、その時の発行部数は五百に過ぎなかった。著者森潤三郎は昭和十九年四月に没したが、生前、この本の改訂を望んでいたらしい。昭和三十八年、未亡人静が没したとき、遺品のなかに潤三郎の筆蹟で多くの訂正、補充が書き込まれた「訂正用」と表示された一冊を見出した。このたび?出版が、潤三郎の遺したこの訂正用を、『決定版紅葉山文庫と書物奉行』として刊行することを企画された。このことは私にとって大叔父である潤三郎の、おそらく最大の願いが実現する。(森 富「再刊あとがき」より)

森  潤三郎(もり じゅんざぶろう)
1879(明治12)年森静男・峰の三男として向島小梅村で生まれる。兄に森林太郎(鴎外)・篤次郎、姉に小金井喜美子がいる。1905(明治38)年早稲田大学を卒業後、東京帝国大学資料編纂掛に就職する。その後、京都府立図書館、東京帝国大学伝染病研究所等に勤務。歴史考証学の研究や兄鴎外の評伝等で知られている。1944(昭和19)年逝去。
主な著作は、『朝鮮年表』(春陽堂、1904年)、『多紀氏の事蹟』(日本医史学会、1933年)、『紅葉山文庫と書物奉行』『鴎外遺珠と思ひ出』(以上、昭和書房、1933年)、『鴎外森林太郎伝』(昭和書房、1934年)、『鴎外森林太郎』(丸井書店、1942年。同年森北書店より再版刊行)等。

森  富(もり とむ)
1921(大正10)年東京都生まれ。森鴎外の長男於菟の次男で、「富」の名は鴎外の命名。1944(昭和19)年東北帝国大学医学部(解剖学専攻)卒業後、陸軍軍医として原爆投下直後の広島で被爆者の救護活動をする。1961(昭和36)年から1985(昭和60)年まで東北大学医学部教授、1990(平成2)年から1994(平成6)年まで仙台大学学長を務める。東北大学名誉教授、医学博士。1944(昭和19)年に森潤三郎の選定家督相続人となる。2007(平成19)年逝去。
主な著作は、『日清戦争と軍医森鴎外』(2007年)、『『鴎外全集』の誕生』(共著、2008年)(以上、?出版)等。









TOP  ご注文について  お問い合わせ  特定商取引法に基づく表示  プライバシーポリシー