思想家・安藤昌益の農と生命に対する思想

伝 安藤昌益『西洋真営道』

平山令二著/250年後の今よみがえる東北の巨人思想家、安藤昌益。カント、ゲーテ、ヴォルテール、ルイ十六世らとの対話から明らかになる農と生命に対する讃歌の思想。
 



四六判上製カバー装・359頁/定価(本体2,400円+税)
ISBN978‒4‒903251‒08‒0

 
本文より
☆わたしは長年、仏教、儒教、神道を批判してきました。いずれも、直耕こそ人間の真の営みだということを忘却させようとしている教えだからです。……
☆偉大な行為が戦争や征服をさすならば、日本人の目指すべきことではありません。男女、身分の上下、貧富の差といった、誤れる二分法を正すことが、日本人の目指すことなのです。いや、わしは人間と他の動物との二分法にさえも反対です。……
☆鳥の世界には、飢饉や凶年にもかかわらず年貢を取られて餓死した鳥はいないし、豊かだからといって自慢する鳥もいない。おのれの利欲から争って帝王になった鷲もいない。こう考えると、人間の『法世』は鳥の世界を真似したようだが、はなはだ劣っている。……
 
内容
前 書
第一章 出発まで
第二章 寒い国を抜けて
第三章 散歩する人
第四章 羊を導く男
第五章 善を欲して悪をなす
第六章 永遠的女性
第七章 インテルメッツォ―車中の夢
第八章 甥の悲しみ
第九章 自分の畑を
第十章 十六番目の男
第十一章 雅ならざる饗宴
現代語訳者の後書
あとがき