富山文学論集　群れ立つ峰々
金子幸代名誉教授と共に歩んだ軌跡
 
黒﨑真美・今村郁夫編／金子幸代氏を中心とした富山の研究者による、個性豊かなふるさと文学の魅力を紹介。生誕140年を迎えた小寺菊子論を主軸にして、各研究者が、堀田善衞・横山源之助・小泉八雲・幸田文・宮崎健三・三島霜川・瀧口修造など富山出身作家や富山にゆかりのある作家・作品を論じる。
 
A5判上製カバー装・324頁／定価4,180円（本体3,800円＋税）
ISBN978‒4‒903251‒22‒6
 

 
（内　容）
まえがき―富山文学の検証と普及／黒﨑真美
Ⅰ　小寺菊子論
※金子幸代論文
　小寺菊子と「女子文壇」「青踏」――埋もれた女性職業作家の復権に向けて
　小寺菊子の人と作品
　富山の女性文学の先駆者・小寺菊子
　小寺菊子とメディアとの攻防・「ふるさと」観の変遷
　小寺菊子の少女雑誌戦略――家出少女小説『綾子』の「冒険」
　小寺菊子と鏡花――「屋敷田甫」と『蛇くひ』
　小寺菊子と同時代の作家――秋声・霜川・秋江と雑誌「あらくれ」
　講演要旨「秋聲から菊子へ」
※研究者論文
　小寺菊子の折衷性／西田谷 洋
　小寺菊子の死生観―「逝く者」より／水野真理子
　小寺菊子の労働観と小説「赤坂」における揺らぎの諸相／久保陽子
　小寺菊子の小学校教師時代／山本正敏
Ⅱ　富山文学論
　堀田善衞「鶴のいた庭」諸相／丸山珪一
　「貧しき小学生徒」論――横山源之助の文学的出発点／黒﨑真美
　原典の書き込みから見る小泉八雲「常識」――ヘルン文庫調査から／今村郁夫
　幸田文「木」「崩れ」をめぐって／高熊哲也
　富山ゆかりの詩人を研究すること――宮﨑健三小論／金山克哉
　本郷旧六丁目「奥長屋」の三島霜川／野村 剛
　新発見資料　瀧口修造の短歌／萩野恭一
追悼　金子先生と演劇、映画／巣組惠理
追悼　学生思いの金子幸代先生／今村郁夫
あとがき／黒﨑真美
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